僕はつい数年前まで、ガラケーを使い続けてきました。友人からは、そんな僕を「シーラカンス」だと言ってからかっていました。僕はそんなことは全然意に介していませんでした。ガラケーにこだわり続けている、というよりはただただiPhoneに機種変更するのがめんどくさかっただけだったからです。

ただそんな僕にも転機が訪れます。新しい彼女ができたのです。僕は元来、通話とメールができれば充分だという考えで、だからこそガラケーで事足りていたわけですが、その彼女が、僕と某有名通話アプリで電話やメッセージのやり取りをしたいと言ってきたのです。前述の通り、元々こだわりもなく、何より女性からのお願いに弱い僕は、この機会にと思い、iPhoneに機種変更しました。

使ってみると、なるほど、彼女だけでなく、周りの皆が強く勧めてきたのも納得の使い勝手の良さ。彼女ともガラケー時代以上に細かいやり取りをすることが出来、とても満足していました。ところで、僕は新しいものを1度使い出すと、一旦とことん使ってみるという傾向があります。僕のiphoneは当時の最新のものであったこともあり、その機能に驚きながら、様々な使い方、遊び方を研究していました。

そんな僕が特にハマったのが、とあるブロックゲームでした。単純なのですが奥が深く、彼女と協力しながらよりハイレベルなステージに進むことを目標にしていました。そんなある日、自転車に乗っていた僕は、誤って転んでしまい、iPhoneを地面に落としてしまいました。幸い、機能自体に問題は無かったのですが、液晶画面に大きくヒビが入ってしまいました。それからも直さずにだましだまし使っていたのですが、突然彼女から別れを告げる電話があったのです。

その時はどうしても抜けられない用事があったので、家に帰ってから電話しようと思い、帰宅しました。しかし、いざ電話しようと僕のiPhoneを見てみると、全く電源が入らなくなっていたのです。何度電源ボタンを押しても、全く反応しません。後日泣く泣くショップに行ってみると、割れた液晶のひびの部分に水滴が入ってしまい故障してしまったとのことでした。

そして残念ながら修理も出来ないとのことでした。ちなみに彼女には後日会えはしたのですが、離れた気持ちは戻らないようで、正式にお別れすることになりました。僕はあとあとずっと失恋の傷を引きずるようなタイプでは無いのですが、振られた直後は、電源が入らなくなった僕のiPhoneに詰まった彼女との思い出を振り返りたかったなと二重に悲しくなったのでした。